毎回釣具屋さんにお願いするの申し訳ないので作ってみた。

多分釣具屋さんにお願いするのが正解だと思います。
最近はどこも良いテンショナー置いてあるし。

糸巻機 DIY ミヤテンションアジャスター

ラインテンショナーを作ってみよう

理由は冒頭の通り。なんか申し訳なくなっちゃった。

今までも一応やっていたのだけど…。
高速リサイクラー 糸巻き リール
(混迷極める)糸巻き風景
ルアーバンクさんの『リールシート固定ブラケット』のページそのままに作った初号機で。
心臓部は第一精工の高速リサイクラー2.0


ただこの初号機、
  • 長時間やっていると熱を持ってテンションが安定しない
  • 強いテンションが掛けられない
等の不具合がある。
『ジギング用の太ライン』や『電動リールに入れる長ライン』ができなさそうなのである。

どうせ新調するならそこら辺にも対応できるような品が欲しい。


まずは情報

多分ラインテンショナーの最高峰は魚矢IKシリーズであろう。


だがしかし、いくつか種類があるがどれもお値段が最高峰で手が出ない。

現実的な選択肢だとミヤエポックミヤテンションアジャスターSじゃなかろうか。


ただ、調べてみると
  • 細糸やナイロンラインは対応しない
  • 熱を持ちやすい
  • 吊るし(そのまま)で使うと負荷が安定しない
等のデメリットがチラホラ見られた。

細糸やらナイロンは初号機でやるから対応してなくても問題ない。
熱を持ちやすいのも負荷が安定しないのも原因は同じっぽいので、対処していけば同時に解決できそう。

ブラケット販売ページやらベースの作り方やらは初号機と同じルアーバンクさんにあるのでまた参考にさせてもらえば良い物ができそう。

目処が付いたので実際に作ってみた。


制作

ベースの作成と、ミヤテンションアジャスターSの改造の2工程を同時に進めていく。
子供の面倒を見ながら作ったけど2時間かからないくらいで作れた。

ミヤテンションアジャスターの加工(ベアリング交換)が面倒くさければ、ルアーバンクさんで加工済みの物が販売されるのでソレを買えばOKです。
ベアリング余っても使い道無いサイズだし。

材料集め

必要なのは以下。金額は大体。
  • ベースの木材(2×4材 6F) ¥700
  • ミヤテンションアジャスターS ¥11,000
  • ベアリング(8×12×3.5) ¥1,300
  • ワッシャー(M6×25×2.0) ¥200
  • テンションアジャスター固定ブラケット ¥2,400
  • リールシートプレート ¥1,800
  • リールシート固定ブラケット ※上記とセット
  • トラスタッピング(M4×10) ¥200
ラインテンショナー制作 ルアーバンク公式ストア ブラケット
ルアーバンクで購入したブラケット類
ラインテンショナー制作 ミヤテンションアジャスターS改造
本体等々
ラインテンショナー制作 ミヤテンションアジャスターS改造 材料
ベース木材と材料一式


他の物はホームセンターで調達。
冷却のため水を掛ける可能性があるので、可能な限りステンレス製に統一した。

計¥17,600

必要工具・消耗品

作りながら出していたらやたら使ってた。
必須な物は太字にしてあります。

  • +ドライバー
  • ラジオペンチ
  • ピンセット
  • ゴムハンマー
  • コンベックス
  • ノコギリ
  • スコヤ
  • ケガキ針(鉛筆の代用)
  • シリコンスプレー
  • 潤滑油(クレ5-56)
  • 両面テープ
  • 紙やすり

ピンセットは純正で入っているゴム製カラー(赤)を抜くのに使ったけど、ラジオペンチあればどうにかなりそう。
ゴムハンマーはベアリング叩き込むのに使ったけど、上手く入れればスポっと入って叩き込む必要ないのでなくて良い。
ノコギリ・スコヤ(直角を出す道具)・ケガキ針(線を引く道具)は、木材を買ったときにカットしてもらえば必要ない。
紙やすりはこだわりで使っただけなので要らない。

大変な加工や作業をするわけではないので百均の工具で十分だと思います。

ベースの木材加工

大体のホームセンターは木材を買ったときにお願いすればカットしてくれるので、そこでカットしてもらえばこの工程は必要ない。
今回はお願いするの忘れたので自分で加工することにした。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
必要な長さを測る
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
ケガキを入れる
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
ケガキ線
目印の線を引くことを『ケガキ』などと言う。
本来ケガキ針は金属に線を引くときに使うもので、木材なら鉛筆とかで十分。
なのだがなぜか見当たらなかったので、手直にあったケガキ針を使った。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
それに合わせて切る
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
ノコギリは木材の繊維に対して効率よく使える刃が違う。
今回は横引き。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
1800mmくらいの長さを1500mmに切断完了。

ベアリング換装

ココからはミヤテンションアジャスターの改造。
ローラーが熱を持ってしまうとテンションが安定しないため、とにかく摩擦熱を抑える工夫をしていく。

まずは純正カラー(赤色のゴム製品)をベアリングに交換する。
この作業が一番大変だった。

外のコンクリートの所でやっているけど、このローラーを傷つけるとラインを痛めるのでとても気を使った。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
材料
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
上のプレートとバネを外してローラーを取り外す
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
中のカラーを押し出す
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
色々やってみたが、なにかを突っ込んで少し出たらラジオペンチでつかんで引っこ抜くのが一番簡単だった。結構力が必要な作業。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
カラーはローラーの上下に1つずつ。計4つ入っている。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
潤滑油を塗ってベアリングを押し込む。傾いたりしていなければスルッと入るのでそんなに力はいらないはず。
カラー1つに付きベアリング2つ使うので、1つのローラーにベアリングを4個使う。
1つのミヤテンションアジャスターSに計8個ベアリングが必要。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
どうしても入らない1か所はゴムハンマーでたたき込んだ
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
左:ビフォア← →アフター:右

シリコンスプレー塗布

プラスチックワッシャーにシリコンスプレーを塗布する。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
ワッシャーに吹き付けまくる
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
ベースにも以下同
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
吹いたら組んでいく
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
このようにワッシャーがずれてしまうとカチッと組みあがらない。
しっかりはまり込むように組み上げる。

ワッシャー設置

テンションを掛けるバネがムラなく押しつけられるようにワッシャーを挟む。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
正直下にはいらないかも
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
コイツに仕事させるためのワッシャー
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS改造
最後に締め付けるネジを入れれば完成。

これでミヤテンションアジャスターSの改造は完了である。

ステー取付

ミヤテンションアジャスターSを取り付けるためのステーをベースの木材に取り付ける。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 取付
ステーと取り付けるためのネジ
ネジは本来木材用では無いのだが、ステンレス製が良かったのでこれで代用。
止まれば問題ないです。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 取付
ステー裏に両面テープを張り
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 取付
良い位置に取り付ける
どこら辺が良い位置なのかはルアーバンクさんの商品ページにあるのでそちらを見るとわかりやすい。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 取付
そのままネジで固定
これでステー取付は完成。

リールシート取付

今度はリールを付けるためのリールシートと、そのリールシートをベース木材に付けるためのステーを取り付けていく。

ラインテンショナー自作 DIY リールシート取付
材料。ルアーバンク購入品一式だけ
ラインテンショナー自作 DIY リールシート取付
同じように両面テープで取り付ける
ラインテンショナー自作 DIY リールシート取付
多少角度がキツいので無理やりドライバーで回す
ラインテンショナー自作 DIY リールシート取付
完成。多少ガタつくけど使用には問題ないはず。

各パーツ取付・完成

ステーにミヤテンションアジャスターSを取り付け、
ラインテンショナー自作 DIY 完成
テンショナーに付いてきた蝶ネジで止めるだけ
ラインテンショナー自作 DIY 完成

ラインテンショナー自作 DIY 完成
リールシートの反対側に高速リサイクラーを取り付ければ
ラインテンショナー自作 DIY 完成
全体図
完成である。


使ってみた

オシアジガーに3号400m巻く機会があったので使ってみた。

巻いたラインはこちら

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 使用してみた
テーブルに配置してクランプで固定。テーブル汚ねえ
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 使用してみた
PEラインを出していって
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 使用してみた
取説にある通りにラインを回し
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 使用してみた
テンションを調整する
この日掛けたのは2.7kgだったけどこれは適当。

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 使用してみた
端をリール内で結んで
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 使用してみた
ひたすら巻いていく
大変だったので座ってやっていたのだが、半分くらい巻いたところで結構テンショナーが熱くなってしまった。

しょうがないので水を掛けながらやることに
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 使用してみた

終了したら分解してエアダスターで水滴を飛ばし
ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 使用してみた

ラインテンショナー自作 DIY ミヤテンションアジャスターS 使用してみた
天日干しで乾かして完了した。


使用上の注意点


規定テンション

後から調べて知ったのだが『号数×0.7』が既定のテンションらしい。
今回はテンションが強すぎた。

高速リサイクラー側も軽くテンションを掛けておく

スタートのラインスプールにもテンションが掛かっていないと、テンションアジャスターをスルスル抜けてしまって全くテンションが掛からないので、高速リサイクラーでもテンションを掛けておかないといけない。

水は最初から掛ける

対策したけど、思ったよりも発熱した。大体200m巻いたくらいで気になるくらいかな。
熱が発生していいことは何もないので、最初からジャブジャブ水掛けながらやった方が良い。

多少のコーティング剥がれはしょうがない

黒いドロドロがテンショナーにこびりついていてビビったのだが、コーティングが剥がれたのが混ざり合って凄い色になっているだけだった。
この剥がれを無くそうとするとテンション大分下げないといけないので、多少の剥がれは諦める。


改良点

使ってみてとりあえず文句は無いのだが
  • ベースの木材にも耐水塗装を施した方が長持ちしそう
  • 使用後に水滴を飛ばすために、より強いエアーでやった方が水気が残らない
あたりが気になる点だろうか。

もうしばらく使って行って様子を見てみる。