【買物】駿河湾サワラキャスティング ロッド調査
調査、ビックリするほど大変でした…。
3年ぶりに盛り上がった駿河湾サワラキャスティングだが、これまでのヘビーシンキングミノーの高速巻き一辺倒では釣果が伸びず、全国的に流行しているジャークベイトのジャーキングやブレードジグの高速巻きが主流となった。
メソッドの変化に伴い、これまで使っていた『柔らかめのシイラ・カツオロッド』だと多少やりづらい場面も増えた。ブレードジグ高速巻きはともかくジャーキングがやりづらいのである。
僕は長さ違いのカツオタックルを2セット(+α)持ち込むが、役割が被るので片方のロッドを更新したい。
サワラの流行に伴い専用のロッドも増えたので、更新するために現行モデルを片っ端から調べてみた。
まずは結論
結果的には程度の良い旧モデルの中古を購入した。
コレだけ調べて予算も用意して、結局買ったのは17ディアルーナBS S706M。
通販だから程度も分からないし、ボートシーバスロッドなので正直パワー不足だとは思ったのだけど、スペック上は対応可能だし何より安かったのが決め手。
パワー不足でも2タックルのうち1つをこっちに変えれば役割分担できるし、ヤフオクで送料込8,000円ほどと破格。浮いた予算で船代を捻出できたのがデカい。
結果的には程度も良く、使ってみて調子も良かったのでコレは良い買い物をしたと思う。
最初は現行モデルから選ぶつもりだったので、調査したモデルの中から『値段別』『ジャンル別』に候補を選出してある。結果的には使わなかったのだけど、折角なので1記事作ってみた。
※ほとんどのモデルは実物触ったことないのでカタログスペック等からの妄想です。
値段別
1万円~2万円
対象モデル55本
ツリノ KAHUNA BOATCASTING
742M+ Bay Blue Shooter
釣具も年々高くなっているがこの価格帯でも全然選べる。というかこのくらいの予算は最低限用意したい。
選んだのはオフショアキャスティングロッドのコチラ。
- 気を遣わずに扱える限界の長さ7.4ft
- マイルド(悪く言えばペナンペナン)なティップ
- 値段の割にTOP SiCガイド
- シイラ・カツオまで使える強度
僕はイシグロ(ツリノを展開する釣具チェーン店)贔屓なのだが、それを抜きにしてもこの価格帯で一番まとまったモデルだと思う。もうちょっと長ければ即決していた。
2万円~3万円
対象モデル59本
LC76-2
ちょっとスペックが盛られてくる価格帯で、各社の特徴が出てきて欲しくなるモデルが多い。
だいぶ悩んだが買うとしたらコレ。
PE1~2号で140mmクラスのミノーやシンペンの投げやすさに加え、ジャーキングやトゥイッチのしやすさなどの操作性を重視し、リアグリップを短めにしたプラッギング特化モデル。
足場の低いボートでのキャスティングや乗合船でのアンダーキャストもしやすい。ターゲットはサワラ、シイラ、小~中型青物など。
と商品説明欄に書いてある通り、ジャーキングするのにストライクなモデル。
『プラッキング特化』とか書いてあるが、リアグリップが短いのは脇ばさみしづらいだけなのでブレードジグとか全然使えるはず。スペック上はカツオとかシイラも全然行けちゃう。
73L
このロッドのシリーズってとても良くできていて、値段の割にオールSiCガイドだったり作りが丁寧だったり非常に惹かれるのだが、今メインで使っている竿が同じモデルの74MLなので選考外。
74ML使ってなかったらこれ買ってたと思う。(74MLはジャーキングするには少し硬い。)
3万円~5万円
対象モデル108本
SKS75M+ -SAWARA Minnow Special
イっちゃってる一部を除いて各社のハイエンドがこの価格帯に揃う。メーカーもモデルも選び放題なのだが、買えるとしたらこのモデルが一番欲しい。
サワラ専用モデルが出始めた時にいち早くラインナップされネット上でも評判が良い。ブランクスに『アラミド繊維入り』というのも気になる。
身近な釣具店に在庫が無く船上でも見たこと無いのが不安材料。
5万円~
対象モデル56本
ST81-2
まごうことなきハイエンド帯でサワラに使うには正直惜しい。まさに憧れのモデルばかりなのだけど、もし買えるとしたらコレ。
サワラだけでなくカツオもOKな上にリアグリップ長や全長が丁度好み。しかも憧れのリップルフィッシャー。一回でいいから触ってみたい。
ジャンル別
サワラ
対象モデル23本
BMTS-75M+
大体のお店に置いてあって手に取りやすい上に値段も手ごろ。新品でも良いが、中古で根気強く探せば1万円半ばで状態いいものが見つかる。
他の方が使っているのを何回も見ているが、竿先が大分柔らかめなので特にミノーが扱いやすそう。
インショア
対象モデル64本
S73M+
インショアってシマノが付けた名称なのだけどそれ用のロッド。ボートゲームって呼称はダメなんすか?
スペック的にはディアルーナBSと似たようなもんなのだけどとにかくオシャレ。現物見るといかにも『現代のロッド』って感じで、見た目で所有欲を満たせる。
東京湾がメインなので駿河湾で使っていたら目立つと思う。
オフショア
対象モデル106本
TX86EXLF
8.6ftの長さで適応ルアー重量が10g~30gという異色のロッド。
カーペンターってガチンコのオフショアロッドしかないと思っていたけど、こういうライトキャスティングっぽいのも結構あるのを今回初めて知った。
リップルフィッシャーと並んで憧れるんだけど、現物はおろか通販ですら見たことないのが難点。
ブレードジギング
対象モデル13本
SS73M
ブレードジギング用ロッドって大体サワラがターゲットにされているのでどれ選んでも問題ないのだけど、このモデルはブレードジグ以外のルアーの使用を見据えてキャストに主眼を置いているので1本で色んなシチュエーションに対応しやすい。
リアグリップが長くて脇挟みしやすいのも素敵。
シーバス
対象モデル29本
S76M
発表当初は『この価格帯にもついにカーボンモノコックグリップが!』って話題になったモデル。
カーボンモノコックグリップがサワラに必要なのか?という話は置いといて、7.6ftでそこそこパワーのあるスピニングのシーバスロッドって実はシマノからしか選べなかった(パワーが妥当な物だと長すぎてしまう)。
元々ボートで使う想定では無いのだけど、このモデルなら使えるかな?という感じ。
バーサタイル
対象モデル51本
73
折角のバーサタイル=ナンデモロッドなので、4本継のパックロッドで汎用性の高いこのモデルを選んだ。
マイクロスプーンからビッグベイトまで何でもござれの汎用性で、ショアからちょっとしたオフショアまで本当になんでもやれちゃうモデル。
ツララの別モデルを使っていた方は「いい意味で昔の竿。最近の竿みたいな高感度では無いけど良く曲がって丈夫で最高。」と言っていた。そういうタイプが好きな方に。
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ここから下は調査の方法など。
長い長い言い訳になります。お時間ある方は是非どうぞ。
調査対象の条件
以下の条件を設定し、各ロッドメーカーのホームページを確認して適合した物を調査対象とした。
実物を見たわけではないので調子やガイドセッティング的に向いてない物も含まれると思います。
長さ
最大8.6ft(2.6m)まで
駿河湾サワラキャスティングでは7ft前半~中盤がオーソドックスで『7.6ftを超えると長いかな』という感覚だが、長めのロッドが欲しくなるかもなので『これ以上の長さは絶対に選ばない』って断言できる8.6ftまでを調査対象にした。
対応ルアーウェイト
10g~60g程度まで
主に使われるのは
- ブレードジグ
- ジャークベイト
- ヘビーシンキングミノー
- メタルバイブ
辺りで重くても50gくらい。
これ以上重たいルアーに対応するロッドだと、パワーが強くなりすぎてジャークベイトをキレイに動かせなくなりそうなので、この範囲に収まるロッドを調査対象にした。
対応ライン号数
~3号程度
駿河湾サワラは1.5号~3号というセッティングがオーソドックス。
MAXでも3号以上は使わないし、糸が太くなる=ロッドパワーが強くなりすぎてジャークベイトをキレイに動かせなくなりそうなので、この範囲に収まるロッドを調査対象にした。
リール
スピニングリールモデル
3000番~SW6000番までを想定している。
ベイトリールモデルでも良さそうなのあったけれど、僕自身が今からベイトキャスティングできるようになる気がしないのでスピニングリールモデルに限定して調査対象とした。
なによりベイトキャスティングでサワラ狙おう!って方は(かなりマニアックなので)ご自分で向いてるの選べると思う。
年式
現行の物
新しくても古くても、メーカーホームページにラインナップされている現行の商品のみ調査対象とした。
廃盤品まで含めると収拾付かなくなっちゃうので。結果的には廃盤品を買ったわけですが…。
ジャンル
上記すべての条件に適合した上で、メーカーが
- サワラ
- インショア
- オフショア
- ブレードジギング
- ショアシーバス
- バーサタイル
という各ジャンルに分類しているロッドを調査対象にした。
バスロッドやロックフィッシュロッドの中にも使えそうな物はあったが、まったく触ったことが無くて分からないので除外。
特にバスロッドはボートシーバスに流用される様なので使えるモデルも多いと思う。(ベイトリールモデルが多いのと、適合ラインが若干細めなのは気になる)
調査項目
調査対象となったモデルの調査項目。メーカーホームページに記載されているデータをリストアップした。
メーカー名
正確には『ブランド名』となるのだろうか。
グローブライドは『ダイワ』。山鹿釣具は『ヤマガブランクス』といった感じ。
年式
そのモデルが発売された西暦。
モデル名
そのモデルのモデル名。
型番
そのモデルの品番や機種名など。
長さ
そのモデルの長さ。メートル表記の物もft表記に統一した。
仕舞寸法
そのモデルの仕舞い寸法。
メーカーによっては『約○○cm』となっていたが多少の誤差は考慮しない。
mm表記のメーカーもあったがcmで統一した。
自重
そのモデルの重さ。
『プロトタイプの重量』とか『約○○g』等の表記があったけど多少の誤差は考慮しない。
そもそもロッドの重量は個体差があって当たり前なのでカタログスペックはあくまで目安。
リアグリップ長
そのモデルのリアグリップ長。
メーカーによって『リールフード後端部から竿尻まで』とか『リール取り付け部中心から竿尻まで』とか測定場所が異なる。
今回調べた中では、パワーファイトの可能性があるオフショアロッドやリーリング時に竿先を安定させたいブレードジギングロッドは長い傾向があり、ルアーを操作することが多いインショアロッド・シーバスロッド・バーサタイルロッドは短い傾向がある。
人によって好みが分かれる。
継ぎ方式
そのモデルの継ぎ方。
僕がバットジョイント好きなので合わせて調べてみたが、記載されているところが少なかった…。
継数
そのモデルの継数。
基本的には2ピース(バッドジョイントモデルも含めて)だが、一部パックロッドは凄い継数になっている。
先径
ロッドの素材先端部の外径。そのロッドの一番細い所。
素材の厚さや硬さの違いもあるので、細いからって一概に『折れやすい』とか『感度が良い』わけではない。ロッドの調子を推測するために調べてある。
サワラキャスティングでは余り気にしなくて良いと思う。
元径
ロッドの素材後端(手元)部の外径。そのロッドのブランクスの一番太い所。
メーカーやロッドの種類によって測定場所が異なる。
最小ルアーウェイト
メーカースペック上の対応ルアーウェイトの最小値。
これより軽いルアーを使っても折れる訳ではないので余り気にしなくてよい。けど、あまり軽すぎるとロッド曲げられないので飛距離が極端に落ちる。
『最大○○g』という表現のロッドも多いので本当に目安。
最大ルアーウェイト
メーカースペック上の対応ルアーウェイトの最大値。
駿河湾サワラキャスティングなら50gくらいが丁度良さそう。
多少オーバーしても折れることは無いが自己責任。
適合ライン最小号数
メーカースペック上の対応PEラインの最小号数。
『この数字より細いラインを使ってロッドが折れた』という話は聞いたことが無いけど、極端に細くするとロッドが仕事をする前にラインが切れると思う。
適合ライン最大号数
メーカースペック上の対応PEラインの最大号数。
この数字より大きいラインを使うと、ガイド抜けが悪くなって飛距離が落ちたり、最悪ノット部分が引っ掛かってノットブレイクやらロッド破損につながる。
定価
そのモデルのメーカー定価。モデルの詳細ページに記載されていた価格を記載している。
メーカーによって税込みだったり税抜きだったり、値段改定されていたりするのでこれも目安。
体感だが釣具店で大体1~2割引き、通販で~3割引きくらいの実売価格のイメージ。
ジャンル
メーカーの分類に従ってジャンル分けしてある。
因みに、各ジャンルの特徴は以下の通り。
サワラ
各メーカーで『サワラ用』と謳っている物。大きく分けて
- ミノーイング用(ジャーキング、早巻き問わず)
- ブレードジギング用
- 兼用
の三系統に分かれる。
この3年で驚くほど専用モデルが増えて選び放題。ココから選べば間違いない。
インショア
ボートシーバス、小型~中型青物、チニング、タチウオ、フラットフィッシュ、ロックフィッシュetc…の、ショアから狙うターゲットをボートで狙うイメージ。ラインやリールもショアの物を流用できる。
色々呼び方はあるが、シマノ提唱の『インショア』という呼び方が最新なので統一した。
サワラもジャンルとしてはココに該当するのだが、今回はサワラキャスティングロッド調査なので、専用品は独立したジャンルにした。(サワラってショアから狙うターゲットなのか?という疑問もある。)
オフショア
青物からマグロ類までが対象となる、一般的なオフショアキャスティング用ロッド。
このジャンルから選べば夏のシイラもカツオも遊べるので『駿河湾でオフショアキャスティングを色々楽しみたい』『せっかくロッド買ったから色々使いまわしたい』という方はココから選ぶのが無難。
駿河湾サワラロッドの主流だと思う。
ブレードジギング
サワラ専用釣法みたいになっているけど、青物以外にもマダイやらイサキやらロックフィッシュやら色々釣れるらしい。サワラ専用とされていないモデルをココに分類した。
駿河湾ではブレードジギングって余り聞かないが、タイラバ・ジギング船とかで普通に成立すると思う。やったことないけど。
ショアシーバス
オフショア用では無く陸でシーバスをやる為のモデル。
ガイド径が細くノット部分が引っ掛かりそうだし、船で使うには長いし、サワラ掛かっても折りそうでやり取りに気を使いそうだし…とデメリットが多そう。
しかし、軽い上にロングレングス・ショートグリップ(竿が長い割にリアグリップが短い)でミノーの扱いはピカイチ。大きなデメリットを理解して使えるならば無くはない、というイメージ。
バーサタイル
俗にいう『なんでもロッド』。
バスから怪魚、ショアからオフショア、秘境から海外までとなんでも狙えます、と謳われているジャンル。
特性上マルチピースで持ち運びしやすいモデルも多い。
『1本買って、オフショアキャスティング以外の釣りも済ませたい』という方に。
調査結果
以下が調査結果である。
35ブランド、286モデルがラインナップ。
(釣具店ブランドも含む。)
表を貼り付けようとしたのだけどデータ数多すぎて断念。
エクセルのDLファイルを置いておくので、ご自分で気に入った物を探したい方はソートして使ってみてください。
一応見直しているけど、記載ミス・打ち間違いはご容赦を。
表の代わりに各項目の最大(最小)値モデルを選考。
メーカーホームページに記載が無いモデルは選考外とした。
全体
35メーカー 286機種
- 最短:5.10ft
パームス ベイマティック
BMSS-510M+
- 最長:8.6ft
調査の上限値により対象多数
- 最安値:10,900円
アブ・ガルシア ソルティ―フィールド
SFS-836M-TE
- 最高値:109,000円
シマノ ワールドシャウラリミテッド
2832R-2
サワラ
10メーカー 23モデル
- 最短:5.10ft
パームス ベイマティック
BMSS-510M+
- 最長:7.8ft
ジャッカル スクランバ
S78M
- 最安値:15,950円
メジャークラフト ジャイアントキリング1G サワラキャスティング
GK1C-702M/SWR
- 最高値:57,000円
メガバス 空海ガルフ
CKG-77MS
インショア
15メーカー 64モデル
- 最短:6.3ft
メガバス 空海ガルフ
CKG-63MLS
- 最長:7.6ft
テイルウォーク ベイミクスSSD
S76M
アピア グランテージナバル シーファラー
S76M
- 最安値:13,640円
メジャークラフト 「三代目」クロステージ ボートシーバスCRX-662ML/S
- 最高値:55,000円
メガバス 空海ガルフ
CKG-70M+S
オフショア
22メーカー 106モデル
- 最短:5.11ft
カーペンター ブラックカレントフィネス
BC 511M F
- 最長:8.6ft
カーペンター トリクスター
TX86EXLF
カーペンター ブルーチェイサーMS
BLC 86/10・Micro Sniper Ⅱ
- 最安値:13,000円
アルファタックル クレイジー オフショアキャストゲーム70M
- 最高値:100,000円
カーペンター ブルーチェイサーMS
BLC 86/10・Micro Sniper Ⅱ
ブレードジギング
4メーカー 13モデル
- 最短:6.4ft
メジャークラフト ジャイアントキリング1G ブレードジギング
GK1BJ-S64ML
- 最長:7.3ft
ヤマガブランクス シーウォーク キャストジギング
SS73M
- 最安値:16,610円
メジャークラフト ジャイアントキリング1G ブレードジギング
GK1BJ-S64ML
- 最高値:49,500円
シマノ オシア ブレード
S66-2
ショアシーバス
12メーカー 29モデル
- 最短:7.1ft
対象多数
- 最長:8.6ft
調査の上限値により対象多数
- 最安値:10,900円
メジャークラフト ソルパラ シーバスゲーム
SPSB-862L/ML
- 最高値:75,000円
アピア フウジンZ
NATURAL SEVEN 77MH
バーサタイル
13メーカー 51モデル
- 最短:6.1ft
アブ・ガルシア エラディケーター パワーフィネス
EPFS-610MLT-TZ
- 最長:8.6ft
調査の上限値により対象多数
- 最安値:10,900円
アブ・ガルシア ソルティ―フィールド
SFS-836M-TE
- 最高値:109,000円
シマノ ワールドシャウラリミテッド
2832R-2