【インプレ】マーフィックス開封 ジガーとの比較
アコガレのレバードラグリール、買っちゃったんで開けて色々比べてみました。
上から。
竿に付けて振ってみた感覚だと、
次に厚さ
レバードラグリールは事前に『プリセットドラグノブ』で大まかなドラグ値を決め、ファイト中は『メインドラグレバー』を操作してドラグ値を調整していく構造だ。
メインドラグレバーは更に3段階に分かれていて、一切テンションが掛からない『フリーゾーン』、ファイト中のメインユーズになる『ファイトゾーン』、ランディングの際など強引にやりたい『ランディングゾーン』の3つのエリアに分かれている。
フリーゾーンとランディングゾーンはともかく、実際のドラグ値の変動を知りたい『ファイティングゾーン』と『プリセットドラグノブ』の変化具合を見てみた。
買ったのはこちら。
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マーフィックスとは
フィッシングサービス マーブル『歴代マーフィックスを解説。』より
参考させていただいたページに詳しく書かれているので、興味お持ちならば是非お読みください。
ザックリと説明すると
- 古くからあるレバードラグリールのシリーズ
- 泳がせやトローリングに使われてきた歴史を持つ
- 初代は1998年ごろ発売
- その後発売元をいくつか変えながらも愛され続け、現エイテックに至る
というもの。
現在は小さい順に『C3』(C=コンパクト)『N4』(N=ナロー)『S5』(S=スタンダード)『W6』(W=ワイド)というラインナップ。
『LN4』という最新モデルも発売間近。
アフターパーツも豊富。カスタムもメンテナンスもハードルが低い。
レバードラグリールってなに?
そもそもレバードラグリールって何なの?という人の為に。
一般的に見るベイトリール(両軸リール)は、小さい物から電動リールまでスタードラグという形式が一般的である。
今回このページで比較対象に取り上げている『シマノ オシアジガーFカスタム2000NRHG』もスタードラグ搭載。
スタードラグの良い点はとにかく楽の一言に尽きると思う。
『クラッチはハンドルを巻くだけで簡単につながる(着底⇒巻上で根がかりしづらい)』『バックラッシュしづらい』『細糸~太糸まで対応できる』『ドラグ値の調整が細かくできる』これらがすべて手軽さにつながっている。
そんなスタードラグに対してレバードラグはどんな優位性があるか。
とにかく『ドラグ性能が良い』のである。
スタードラグ方式に比べ大型のドラグワッシャーを入れられるのでドラグ値は確保できるし熱ダレにも強い。
しかもレバーの調整だけでドラグ値を変更できるのでファイト中の調整も容易。
また、スタードラグ方式に比べ機構が単純なので『スプールフリー時の回転が早い』『分解・メンテが比較的簡単』という副次的効果も見られる。
開封の儀
といいつつも糸巻きの為に釣具屋さんで一度あけてもらっているのだけど。
外箱外観。
『SPIRIT of DEEP-SEA』の一文がカッコいい。
深海ジギング用に買ったわけじゃなくてゴメン。
主要諸元。
因みにココに書かれている糸巻き量は誰に聞いても『当てにならない』との事。
今回僕はバリバス『アバニ ジギング10×10マックスパワー PE X8』の4号400を巻いてもらったのだが、
シマノカスタマーセンター『糸巻量計算ツール』より
450m入る計算で下巻き入れたら溢れちゃって何回もやり直したとの事。本当にありがとうございました。
内容物を全部出すとこんな感じ。
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あと、メイドインコリアのリールって初めて見た。
ここから先は糸巻してもらった時に多少変わっているかも。
蓋を開けると取説と保証書。
スポンジをめくると
ジャーン、と本体。
この箱、多分全部のマーフィックスシリーズで共通だと思うのだけど一番小さいC3でも横幅いっぱいになっちゃってる。
もっと大きいサイズ入るんだろうか。
下のスポンジの下には何も無し。当たり前だけど。
- リール本体
- リールカバー
- 取扱説明書
- 保証書
- 保護スポンジ2枚
が入っていた。
各種数値とジガーとの比較
測れる数字を色々測って、恐らく最も多くの人が比べられるであろうオシアジガー2000と比較してみた。僕の手持ちはFカスタムなので若干重たい上に、ハンドルも交換してしまってあるが。
外観
まず一番お気に入りなシリアルナンバー。
マーフィックス持った後にジガーを持つと小さく感じる。パーミングも楽。
特別感が格好いい。
カバーから出すとこんな感じ。
ジガーもメタル感が凄いと感じたものだがマーフィックスは更に上を行く武骨さ。
単体の写真はネット漁ると格好いいのがいくらでも出てくるので割愛。
オシアジガーFカスタム2000NRHGと比較していく。
真横から |
前から |
パーミングカップの大きさ |
後ほど数値で確認していく。
重量
カタログ値と、糸巻き済みの手持ちリールをまとめてみた。
ノーマルのジガーは持っていないのでカタログ値のみ。
オシアジガーFカスタム2000NRHG |
マーフィックスC3-RH |
19ビーストマスター2000EJ |
数字ほどマーフィックスは重さを感じない。
逆にビーストマスターはビックリするほど重たい。
多分実際の重量より、ボディの大きさと支点の違いが使用感を決めるのだと思う。
幅
指ワインドや指ドラグのやりやすさに関わってくる本体の幅を調べてみた。
まずは全幅。
マーフィックスは66mm |
オシアジガーは57mm |
パーミングカップからスプール端までの幅も測ってみた。
オシアジガー37mm |
全幅で9mm、スプール端までで3mmの差マーフィックスの方が大きかった。
数字上はそんなに大差無いように感じるが、
実際に持ち比べると全然違う。
マーフィックスはドラグレバーが、オシアジガーにはフォールレバーがそれぞれ付いているが、ジガーは左手親指がレバーに届くのに対してマーフィックスはまったく届かない。
次にハンドル側。
差は12mm。だいぶデカい差である。
(これは次の項目のパーミングカップの大きさも関わってくるのだが。)
出幅
ロッドに取り付けた際の出幅の目安になるよう、リールフットの中心から端まで測ってみた。(目測なので大雑把だけど)
まずパーミングカップ側。
マーフィックスパーミングカップ側は13mm |
ジガーパーミングカップ側は12mm |
パーミングカップ側の出幅は1mmの差でほぼ誤差。
むしろハンドル側の出幅はジガーの方が大きいのでバランスはジガーの方が悪いのかもしれない。ドラグ構造の問題?
パーミングカップ大きさ
恐らく使い心地に最も関わってくる持ちやすさ。
それを決めるパーミングカップの大きさを測ってみた。
マーフィックスは78mm |
ジガーは66mm |
実際にパーミングしてみても、オシアジガーは手のひらで包める感じなのに対してマーフィックスは明らかに手からはみ出てしまっている。
C3-RHはマーフィックスシリーズの中で最小なのだけどデカく感じてしまう所が敬遠されてしまう最大の理由だと思う。
リールフット大きさ
マーフィックスはリールフット(竿にくっつく部分)がデカすぎてリールフード(リールフットを固定する部分)を壊すという話なので数値を測ってみた。
まずは幅。
マーフィックスは16mm |
ジガーは19mm |
マーフィックスは厚さ2.5mm |
ジガーは厚さ1.9mm |
実際に一番奥までリールフードには押し込まないのだろうが、ジガーの方がリールフットの幅は広かった。
横から見た感じはそんなに変わらないかも。
ここは明確に違う。
厚さも0.6mmしか違わない…、と思ったのだが
締め込むごとにミシミシ鳴るのである。なんなら膨らんでいるのが分かる。
怖くなって最後まで締め込まなかったのだが笑えてしまった。
割っちゃってパーツ交換するって聞いたのが良く分かる。
取り付けたのは『テイルウォーク スローバンプSSD 634/FSL』でリールシートは富士工業の『T-DPS20』。一般的なパーツ構成で、オシアジガー2000番で歪んだことは無かった。
一般的なジギングロッドだとやはりミシミシ鳴るらしいが、『エバーグリーン ポセイドン スロージャーカー』や『ディープライナー ロジカル』辺り鳴らないらしい。
(サッと調べた感じ、『T-DPS22』という一回り大きいリールシートになっているらしい。)
付ける竿を選んでしまうのも、マーフィックスが普及しづらい原因なのかもしれない。
実際のグリッピング
僕の手は
これくらいの大きさで手袋のサイズを決める『手囲い』は23.8cmである。
手袋はMサイズが丁度良い。
実際に握ってみた。
マーフィックス横から |
ジガー横から |
マーフィックス親指当てた感じ |
ジガー親指当てた感じ |
マーフィックスは親指の位置がここで一杯なのに対して、ジガーはまだゆとりがある。
ただ、どちらもスプールを抑えるのに不自由はなさそう。
マーフィックスは親指を目いっぱい伸ばしてもドラグレバーに届かない。
着底即巻きとかですぐにクラッチ入れて巻き上げ始めたいときに不自由かも。
マーフィックス人差し指当てた感じ |
ジガー人差し指当てた感じ |
親指ほど一杯にはならなかった。
人差し指も、スプールを抑えるのには不自由なさそう。
ドラグ関連
最大の特徴であるドラグ関連を調べてみた。マーフィックス取扱説明書より |
メインドラグレバーは更に3段階に分かれていて、一切テンションが掛からない『フリーゾーン』、ファイト中のメインユーズになる『ファイトゾーン』、ランディングの際など強引にやりたい『ランディングゾーン』の3つのエリアに分かれている。
フリーゾーンとランディングゾーンはともかく、実際のドラグ値の変動を知りたい『ファイティングゾーン』と『プリセットドラグノブ』の変化具合を見てみた。
ファイティングゾーン
ファイティングゾーンは6段階(第3ノッチ~第8ノッチ)。
トンジギを想定して初期ドラグを5kgで設定し、1ノッチずつ計測してみた。
3ノッチ目。5.1kg
4ノッチ目。5.7kg
前段階より+600g。初期値より+0.6kg。
6ノッチ目。6.2kg
前段階より+200g。初期値より1.1kg。
7ノッチ目。6.9kg
前段階より+700g。初期値より1.8kg。
8ノッチ目。7.4kg
前段階より+500g。初期値より2.3kg。
平均すると、1ノッチ当たり383gのドラグ値増加がみられた。
前段階より+600g。初期値より+0.6kg。
5ノッチ目。6.0kg
前段階より+300g。初期値より0.9kg。6ノッチ目。6.2kg
前段階より+200g。初期値より1.1kg。
7ノッチ目。6.9kg
前段階より+700g。初期値より1.8kg。
8ノッチ目。7.4kg
前段階より+500g。初期値より2.3kg。
平均すると、1ノッチ当たり383gのドラグ値増加がみられた。
プリセットドラグ
ノブ回すとどんどん締め込んでいけるのだが、キリが無いので1周16段階で計測してみた。
写真がボケてしまって16段階分全部の写真が用意できなかったのだが、
1段階目。2.3kg
プリセットドラグノブを1周回すと初期ドラグ値が2.5kg増加する。
1段階辺りの平均値は156gだった。
写真がボケてしまって16段階分全部の写真が用意できなかったのだが、
1段階目。2.3kg
16段階目。4.8kg。
プリセットドラグノブを1周回すと初期ドラグ値が2.5kg増加する。
1段階辺りの平均値は156gだった。
MAXドラグ
プリセットドラグノブを目いっぱい締め込み、メインドラグレバーをファイトゾーン最大(8ノッチ目)にした時のドラグ値を3回計測してみた。
マーフィックスを使用する上での注意点
購入した際いくつか注意点を教わった。
取説に書いてあることと被るのだが簡単にまとめると
- プリセットドラグノブでの初期値の設定は、メインドラグレバーをフリーゾーンに入れてから設定しないと故障する
- リールフットをリールフードにしっかり入れるため、リールフットを軽く入れたらロッドエンドをトントンと地面に当ててリールフットをしっかりとフード内に送り込んでからナットを締める
- そこまでしても締めすぎるとリールフードを壊すので、締め込み過ぎないようにする
- メーカー記述の糸巻き量は大分大雑把なので、必ず現物合わせする
とのこと。
初期ドラグ値5kgだとレバードラグが大分重たくて、いざというときに失敗しそうな予感がした。
アフターパーツで改善できるらしいので、使うまでにそのカスタムパーツは導入しておきたい。