【準備】【釣行】石花海ヤリイカ
2023年10月30日㈪
焼津小川港 松栄丸にて
焼津小川港 松栄丸にて
…ええ、平日です。有給、使わせて頂きました。
石花海のブランドヤリイカ
石花海とかいて『せのうみ』と読む。
深い駿河湾内で急に駆け上がり、山のようになっている場所である。
出典:伊勢湾環境データベース『駿河湾の環境:地形』より |
だいたいここらへん。
ここで釣れる魚は大体どれも美味しいのだけど特にヤリイカは身が厚くて甘みが強く、『石花海ヤリイカ』というブランドになっている(らしい)。
『サクラエビを食べているため身が甘くて美味しい』などという。本当かどうかわからんけど。
実際に知り合いが釣ってきたヤリイカをちょっと味見したことあるのだが文句無しに美味しかった。
『食べて美味しい』で1・2位を争う釣り物だと思う。
道具はある、道具だけは…
ぜひ一回は行きたいと思って道具はボチボチ揃えていた。
ところが、道具を揃えたところで記録的な不漁が続いてしまい、年単位で行くタイミングを逃してしまった。
どれくらい不漁かというと、いくつかの遊漁の船長が「釣れないから行かないほうがいいよ」と自ら言うくらい。
よっぽどのイカマニアが覚悟していって、0〜5杯とかそういうツライ世界が待っている状態だったのだ。
こちとらそんな覚悟も腕もない完全初心者である。とてもそんなツライ世界に飛び込む度胸はない。
いつか行きたいな〜、と思いながら数年過ぎてしまった。
突如復活?
今年(2023年)は当たり年なのか、10月頃からヤリイカの釣果がポツポツとあがってきた。
イカファンは虎視眈々と待っていたのか日を経つごとに挑戦する遊漁船は増えていく。
何なら「石花海ヤリイカ数年ぶりにやってきました」とか書いてある遊漁船も出てきた。
釣果を見ちゃジリジリとしていたのだが、極めつけはいつもお世話になっている松栄丸の『30日石花海ヤリイカ出船します』の一言。
もう居ても立ってもいられず、無理言って有給もらい行っちゃうことにした。
【準備】捜索・確認・荷造
船宿レギュレーションは以下の通り。
ロッドはスロージギング用で十分、番手問わず。
とのこと。
まずは道具の確認である。電動リール4号でやるための道具一式がどっかにあったはず。
買って数年、放置して大事にしまっておいたままなのでちゃんと残ってるか不安だったが、竿、仕掛け、オモリ全て揃って残っていた。
駿河湾は二段カンナのプラヅノを使うのだが手持ちの仕掛けは全て対応していて問題なし。
リールはいつぞや五目に使おうと思ってリーダーを外した電動の2000番がそのまま使える。
その他、貰い物のプラヅノがいっぱいあったので
幹糸だけ念の為作っていく。
材料の関係で3本ブランコ仕様。
プラヅノの違いとか色とかよく分からんので、このハリスとプラヅノありったけ持っていって現地で合わせることにする。
後はイカって濡れるイメージがあるのでサロペットとかで重装備にして
イカ用品に加えいつもの道具も詰め込めば
スミ落とす用のブラシ |
荷造り完了である。
【釣行】道具立て
- 16 リアランサー ヤリイカ 190(シマノ)
- 20 ビーストマスター 2000EJ(シマノ)+PE4号350m
初下ろしのイカ専用竿にいつもの電動リール。
多分竿はセオリーの物より長い。
電動リールは構造上最も沈降速度が速い番手でベストチョイスらしい。
【釣行】使用仕掛け
- ダイヤエース11cmブランコ2段5本(下田漁具)
- ピカイチスティック スイッチドット11cmダブル 5本鈎(ハヤブサ)
- オモリ150号
- 中オモリ15号
- ヨリトリリング
リンク
イシグロの店員さんオススメ。
イカの仕掛けはちょっと独特なのだが見方としては
- 商品名
- プラヅノの大きさ。他に14cmや18cmがあるが石花海は大体11cm。
- 仕掛けの形。他に『直ブラ』や『直結』がある。こちらに詳しい。
- カンナ(針)の形式。1段と2段がある。
- プラヅノの数。これが多くなるほど扱いづらいがたくさん釣れるようになる。
といった具合で見ればよい。
【釣行】ロスト
- 150号オモリ1つ(Vスカリー)
- 既製仕掛け5つ
リンク
沈下速度が速く立ち上がりが良いと言われるVスカリー。
高いオモリなのでロストは痛いのだがしょうがない。
仕掛けはプラヅノが再利用できるので実質ロスト無し。
【釣行】釣果
ヤリイカ3、ウルメイワシ1
何故かウルメイワシ |
【釣行】当日の状況
海況
焼津ふぃしゅーなで代用 |
釣行時間:5時〜14時半(実釣は7時〜13時)
天候:晴
水温:不明
実釣エリア:石花海(水深170m~200m)
風:ややあり
水色:
金州などの外洋に比べれば多少緑っぽいが外洋の青に近い。前日、前々日の土日は凪予報だったが大荒れだったらしい。
当日もwindyだと概ね凪の予報だったのだが、船長の予想では若干荒れるのではないか、という予想。
それが当たり序盤は多少荒れた。段々落ち着き、10時過ぎには無風のベタ凪だった。
潮流は、前半は強く2枚潮の傾向だったがそれも段々落ち着いていった。
終盤は0.5ノット前後で上も下もスカスカだった。
魚探に写るイカの反応は薄いようだった。
水面に見える魚は無し。鳥も無し。帰港時にトビウオが数匹跳ねていた。
ウネリは弱く、船酔い者が出ない釣行だった。
乗員は僕+1+1+1+1+女将さんの6名。
釣座は左舷真ん中で釣りやすいポジション。人も少ないので広々とやれた。
真偽は不明だが、この釣行日前に刺し網漁がおこなわれて根こそぎイカを持って行かれたらしい。
同船者・他船の状況
同船者の釣果はトップ4杯、船中15杯程度と顔を見た程度で終わってしまった。
見える範囲で他船は6隻。
他船からの無線では船中10杯、トップ6杯などが聞かれた。
後日見て回った釣果ブログでのトップは24杯。
この数日後ではトップ15杯程度など聞かれたので、この日が極端に悪かったのかも。
イカ釣りではないが、帰り際30分だけやったジギングで大型キハダマグロを見れた。
【釣行】当日の様子
出港まで
3時半~5時過ぎ
当日は5時集合5時半出船なので3時半前くらいに出発する。
平日釣行の背徳感にワクワクを抑えきれない。
1時間かからず港に到着してしまう。すぐに面子が集まり各々準備に取り掛かる。
代金を支払うときになんとTシャツのプレゼントが。
後日撮影 |
メッチャうれしー。
早速着込む。今日は松栄丸スタイルで釣りしよう。
釣座を決め、氷を貰って乗り込み出港。予定より10分程度早く出港できた。
釣座作って釣り開始
5時過ぎ~7時
ロッドキーパーやらセットして大まかに釣り座を準備する。
それが済んだら後部座席に皆で集まって到着までトークタイム。
常連さんから色々な情報を頂いたり、愛知方面からのお客さんから他地域の状況を教えて頂いたり非常に楽しい時間を過ごせた。
ボチボチ到着しそうなところで釣り座に戻り準備。
イカツノ投入機をお借りし、仕掛けをセッティングして投入の合図を待つ。
本当なら船尾側にイカツノ投入機を置かないといけないのだが(風で仕掛けが流れて手前マツリしてしまうため)、左手で仕掛けを扱える気がしないのでセオリーとは逆の風上側に投入機設置。
この時点で仕掛けマツリそう。これは馴れが必要だわ。
ともあれ準備は整ったので投入の合図を待つのみである。
ファーストヒットはしたものの
7時~8時
「はいどうぞ~、水深180m~」の合図とともに釣り開始。
オモリを前方に放り投げ投入する。
キレイに落ちて行かないで仕掛け絡んでないか…?
不安だがとりあえず落とし続け、一通りやってみることにする。
なんせ誰よりも早く仕掛けを落とすのがコツというのだ。途中で止めちゃったら誰よりも早く落とせない。
着底したら糸フケを取りゆっくり竿を上下にシャクる。
これで良いのかよくわからん。
よくわかんないながらシャクっていると後ろの方でヒットコール。
船中一杯目が上がってきた。30cm無いくらいのキレイな奴の1点掛けだった。
うらやましい。
船長に釣り方を聞いてみる。
「着底したら糸フケを巻いて、ゆっくり頭上まで大きく上げてみて。乗る時は着底と同時に乗ってくるから」と教えてくれたその瞬間にクンクンっと本日のファーストヒット。
船長笑顔である。
バレが怖くてビクビク巻きあげる。途中反応無くて焦るが、ちゃんと付いてた。
ツノの色とか釣り方とかさっぱり分からないけど、とりあえずボウズ回避の1杯は嬉しい。
モタモタとプラヅノを投入機にセットし、釣りを続けていく。
やたらマツるイカ仕掛け
この日使ったプラヅノ5本はイカの仕掛けの中でも短い方なのだが、それでも7mくらいある。
しかもサビキなので針いっぱいなのでちょっと油断するとマツってしまう。
酷いと道糸巻き込んでこんなになっちゃう。仕掛けの数も限られるのでなるべくほどいて使うのだが、ほどけるのにも限界がある。
なんなら他の人巻き込んでマツったりもして始末が悪い。
投入前の手前マツリも何回かあったし、なんなら新品の仕掛けを一回も投入できないまま手前マツリでダメにしたパターンまであった。
1日を通して最後の方は慣れたのだがこの仕掛けの扱いがキモだな。
身に染みて良く分かった。
続く沈黙の時間
8時~12時半
シャクリ方を微妙に変えたり、釣れないときは30mくらい巻き上げて落とし直してみたりして次を狙う。
忘れたころにアタリがある。多点掛けを狙うが、バレの恐怖に負けてすぐ上げてしまう。
常連さんに教えてもらった巻上速度はシマノ電動リールの15前後。これで問題なさそう。
途中で「着ドン~!」とか言って遊んでたけどバラしてしまってかっこ悪いことこの上ない。
そんなことをしているうちに段々アタリも無くなり、船中他の人も釣れなくなり、無の時間が長くなっていった。
たまーに誰かが釣るが、それが続かないのである。群れが散っているのだろうか。
船長も他船と連絡を取り合ったり、釣れ具合を見たりして流し換えてくれるがそれもなかなか結果につながらない。
石花海ヤリイカは昼過ぎに食いが立つことがあるらしくそこまで頑張ったがそれも不発。
余りにも無さすぎたので、「最後ちょっとだけジギングとかやってみましょうか~」というアナウンスとともにイカ釣りを終了した。
最後のジギングでドラマが
12時半~13時過ぎ
唯一忍ばせてきた300gのジグパラロングスローをセットして海に放る。
タックルがイカ仕様のままなのでどうかと思ったが、着底すら取らないうちに先頭のジギンガーの方がヒットである。
「先頭ヒットー!」とか言ったが、なにやら様子がおかしい。
めっちゃ引っ張られてないか?
船長も出てきて「コレみんな上げた方が良さそうだね」とか言ってる。
慌てて巻き上げる。なんかウルメイワシが付いていたがとりあえずどうでもいい。
先頭の方を見ると熾烈なファイトを繰り広げている。
話を聞くと30mくらいでヒット、現在22mだという。
装備はオシアコンクエストに2号ライン、10号リーダーにウロコジグショートみたいなジグとの事。
結構な軽装備でドラグを締めるのも危険な様子。
完全に野次馬モードで常連さんとあーだこーだ無責任に話しながら観戦。
「マグロですかね?」「ここら辺に居ますかね?」「カンパチ?」「が居るような水深じゃないみたいだし」「ハタの仲間は?」「あり得ない」「サメ?」「う~ん、無いと思うんですけど」etc…。
申し訳ないのだけど、スポーツを見ているようで自分がやっていなくても熱くなってくる。
勝負は一進一退、30mラインで行ったり来たりしている。
そうしているうちに石花海の規定時間(13時)を超え、釣り出来る時間終了。
「道具片付けちゃいましょうか、ここは僕見て置くので。」の船長の一言に各々道具を片付け始める。
概ね片付いたところで魚が見えたようで「キハダだ!キハダだ!!」との声。
その直後にジギンガー氏から「あっ!!!」という絶望の声。
あと10mという、魚は見えるのに銛もタモも届かない距離での痛恨のバラシである。
ラインもリーダーもリールも無事。リング破断が敗因であった。
見ていた感じでは40kg級の大型だった様子。
ぜひ船上に上げたかった。
【釣行】結果
ヤリイカ
こっちは沖漬けにしたもの |
ウルメイワシ
ベイトは不明。
イカのベイトって体内に残るもん?